3度のメシより、ほとけさま。

ほっとけない仏様 & ぶっそうな仏像 が大好仏‼︎

あの世の入り口、ここヨ!


今日は8月9日。地獄の釜が開く日だ。いよいよ今年も盂蘭盆が始まる。亡くなった方々がしばらくの間、現世に戻ってらっしゃるのだ。
でも一体どうやって戻るのか?
それがこの井戸からなのだ(*^_^*)

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かつての葬場だった鳥辺山の麓にある、冥土への玄関と言われている六道珍皇寺の『黄泉がえりの井戸』がそれだ。

この六道珍皇寺。開創は平安前期の延暦年間、空海の師にあたる慶俊僧都。建立したのは、小野篁(たかむら)説や空海説、山城淡海説など諸説ある…。

この小野篁さん、とても面白い人物だ。あの小野妹子の孫であり、絶世の美女・小野小町の祖父。学者であり歌人でもあった彼は、身長188㎝もあるイケメン。しかも弓や馬術にも優れた文武両道のすごい男。しかも神通力の使い手。

嵯峨天皇の元、官僚を務め遣唐副使に抜擢されながらも、遣唐使藤原常嗣が気に食わないゼ‼︎という理由から、仮病をつかい乗船を拒否する。でもその仮病がすぐばれて隠岐の島に流罪となってしまう。
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百人一首でも有名なこの句。こぎ出でたのは流刑地の隠岐に向けてであった。

しかし何故かすぐ許されて、その後高級官僚に登りつめる。しかし反骨精神が強く朝廷を批判したり、かなりな奇行も多く『野狂』と呼ばれる。…というのが彼の昼の顔。

で、夜は何をしていたか⁇
実は先ほどの井戸を通って夜毎夜毎地獄に通い、閻魔大王のもとで裁判の補佐をする冥界の役人だったのだ。えっ⁉︎ ほんま⁉︎
昼間は公務員、夜は地獄でバイト。身体が持たないっス…て事にならなかったのか?

小野篁が作った閻魔大王像が六道珍皇寺にお祀りされている。
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すごい迫力のすごい表情。
それまで伝説でしかなかった閻魔大王の詳細を再現しているのは、実際に篁が身近で閻魔大王と夜毎会っていた証しと言われている。

ちなみに閻魔大王のとなりに小野篁の像も祀られています。
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彼の着物の袖がふわりっと広がっているのは、彼が井戸から地獄に降りている時の姿を描いているからとの事。

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夜のバイトを終えた篁は、朝になると化野(あだしの)の副生寺の井戸や千本閻魔堂の井戸から地上に戻ってきたらしい。

六道珍皇寺では8月7日〜10日まで、お盆の精霊迎え『六道さん』を実施中です。
この期間だけの特別な色の御朱印もいただけるようですよ。
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ご本尊は美しい薬師如来座像様。 
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以前、娘と訪れた際、井戸を覗き込んだ娘が『あぁっっっ⁉︎』と叫びました。
あの時、娘の眼にどんな地獄絵が映ったのか…⁉︎     それは未だ謎に包まれたまま(^^;;

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