3度のメシより、ほとけさま。

ほっとけない仏様 & ぶっそうな仏像 が大好仏‼︎

金比羅さんと大天狗


先日、あべのハルカスで開催中の
『昔も今も、こんぴらさん』展に行ってきました。
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金刀比羅宮って名前だけはよく聞きますが、でもよくは知らない…って存在でした。
伊勢神宮と並んで江戸時代から庶民信仰の拠点であり、一生に一度はお参りしたい❗️と皆が願う社と思ってたんですが、
実は、お宝ゴロゴロ。なんと文化財 3000点以上なんですって‼︎

金毘羅大権現時代、観音堂の本尊だった十一面観音様。
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頭上の化仏が失われているので、十一面様らしくはないのですが、荒彫りで素朴ながら深い衣文や、鮮やかに彩色されてたであろう装飾などが素晴らしいです。
お顔も優しさと野生味を兼ね備える深〜い表情をしていらっしゃいますね。
思わず手を合わせてしまいます。
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そして私の大好きな不動明王像。
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海中の岩座に筋骨隆々のライザップスタイルでどっしり立つ不動明王様。海の中なのにぼうぼう燃え上がる炎、制多迦童子、矜羯羅童子を従えた円心様の典型図像です。カッコええ!
でも、矜羯羅童子はなぜ困ったような顔をしているんやろ?


金刀比羅宮にはふた方の神様が祀られていらっしゃいます。大物主神崇徳天皇です。

この崇徳天皇が凄まじいです。
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崇徳天皇保元の乱に敗れて讃岐の地に流罪になります。しかしせめて自ら書写した大乗経だけでも京に届けたいと願いましたが、結局許されなかった。
悔しさと怒りに震えながら崇徳上皇は「日本国の大魔縁となり、皇を取って民となし、民を皇となさん」と、自らの舌を食いちぎり、その血潮で大乗経に呪詛の誓文を記し海底に沈める。
それ以後は髪も爪も切らず、生きながら〝天狗〟となった。
死後は怨霊、大天狗となって人間界を荒らしたとされる。ざっと紹介すると、毒の息で都に疫病を流行らせ貴族や大臣を病気や死に追い込み、延暦寺の強訴、鹿ケ谷の陰謀などを引き起こしたとされてます。

天狗伝説は色々と調べると面白いです。
元々仏僧の死後の魂が天狗になるとされていて、凄まじい怨霊の念がある場合も、その人は天狗になるらしい。

歌川国芳の浮世絵に曲亭馬琴作『椿説弓張月』の一場面を描いた武者絵があります。
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平家討伐に向う源為朝が乗った船が巨大台風のため難波します。それを見ていた崇徳天皇は自分の従者の天狗を遣わせて為朝を助ける。、この画面の白いのが天狗さん達です。悪い事ばかりではなく人助けもしてるんや。

この展覧会は7月12日まで。丸山応挙の「鶴の間」「虎の間」「七賢の間」の障壁画が素晴らしいです!

どこから見ても睨み返してくる「八方睨みの虎」も待ってますよ。

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