制多迦童子はノッポじゃない
またまた浄瑠璃寺の仏様を…。
このブログでは、ついつい見逃してしまいそうになる仏様を中心に取り上げていこう… と先ほど決めましたのでm(_ _)m
前回は矜羯羅童子だったので、その相方の制多迦童子(せいたかどうじ)です。
優しく可愛い矜羯羅童子と違い、少しいたずらっぽい表情。全身を紅蓮華(ぐれんげ)とよばれる赤色で染め、金剛棒を持った〝悪性の者〟と説かれています。
これは不動明王の真の心を理解しない衆生に対しての忿怒の気持ちの表れらしいです。その上非常に聡明で理知的。
矜羯羅童子にしても、この制多迦童子にしても
15歳くらいの童子なので、まだまだあどけない表情ですね。
で、制多迦童子だから背高ノッポかというとそんな事ありません。(当たり前ですね。すみませんm(_ _)m)
矜羯羅童子と全く同じ大きさです。
不動明王三尊像の三体のお顔(特に目の高さ)を結ぶと、見事な三角形になります。これは「三尊仏」という“智”と“情”を表現した祀り方だそうです。
京都・峯定寺様の不動明王三尊像にしても、見事な三角形を結びます。
こちらの矜羯羅童子と制多迦童子は、15歳の子供らしくとても可愛いですよね。
矜羯羅童子にこんがらがる
前回に続いて、また浄瑠璃寺です。
矜羯羅童子が素晴らしい❗️
不動明王様の左足の傍らにいらっしゃる矜羯羅童子(こんがらどうじ)の表情が、たまりません。
コンガラとはサンスクリット語で『何をするべきかを問い、それに従う』という意味。まさに愛らしく従順な素直な精神が、優しい表情に溢れていますよね。
不動明王の従者八大童子の第七番目、というのも奥床しいです。
しかも、合掌して西方の夕日に向かい、何かにすがるようなポーズが、これまたなんとも愛おしい。
矜羯羅童子というと高野山の八大童子が有名です。運慶の傑作です。まさに生きてる…。素晴らしい…。実際にお会いするともう目が離せない。でもあまり可愛いとはいえず…。
矜羯羅童子は善財童子と、こんがらがる。
馬頭観音に罵倒されたい‼︎
浄瑠璃寺(京都 木津川市)の馬頭観音様です。恐ろしい顔ですねー。
慈悲の溢れ優しさに満ちた 観音菩薩様が、牙をむき出し、火焔に包まれた四面三目ハ手の忿怒の形相に変化した姿です。
馬頭観音は観音菩薩の中で唯一、怒ってはる。怒りの菩薩。闘う菩薩ともいわれてはります。うーむ、ここに謎と魅力を感じてしまいます。普段は優しい母親が子供を諌める際に発する愛するがゆえの怖さなんやろか?
しかも胎内には、なんと70以上の小像と双身毘沙門天像1体が納めてある。
なんでそんなに多く⁇どんな祈りが込められてるんやろか⁇
双身毘沙門天像がコレ↓
たるんだ精神や、怠け心についつい負けてしまう我々庶民を一喝してるんやろな。
今は、奈良国立博物館にいらっしゃいます。
最近、なんだかシャキッとせーへんオレもこの馬頭観音様に罵倒していただかなあかん。